【民泊の消防設備】火災報知設備の設置基準

[記事公開日]2017/08/04

火災報知設備の設置基準

民泊を始めるにあたって、消防設備の費用が非常に重要になってきます。(詳しくは『民泊の消防設備』でご説明しています。)

特定小規模施設に該当する場合、安価な特定小規模施設用設備が使えますので、消防設備費を抑えることが出来ます。(詳しくは『特定小規模施設用消防設備』でご説明しています。)

安価な特定小規模施設用設備が使えない施設の場合、どこに火災報知器(感知器)を設置しなければいけないのかを決めた設置基準が非常に重要になってきます。

それでは、火災報知設備の設置基準とはどのようなものなのかを判りやすくご説明したいと思います。

 

火災報知設備の設置基準とは

民泊施設の構造によって、どこにどんな設備を設置しなければいけないという基準が設けられています。

非常に複雑ですので、正確には専門家が消防署と協議して決めることになるのですが、物件の購入契約や賃貸契約をする前に、おおまかな内容は知っておくことで、消防設備費用の予測が立てられる場合があります。

 

「警戒区域」とは

受信機P型2級民泊施設の火災報知設備の受信機を1級にするか2級にするかを決める設置基準を理解するために「警戒区域」という語句が非常に重要になります。

なぜ重要なのかと言いますと、警戒区域の数によって使用する受信機が変わってくるからです。

特定小規模施設用設備を除いて、火災報知設備には「受信機」という機器があります。

火災が発生した場合、天井についている煙感知器や熱感知器が煙や熱を感知して受信機に信号を送ります。

この信号を受けて、受信機の中にあるブザーを鳴らしたり、各部屋の非常ベルを鳴らしたりする機器が「受信機」です。(詳しくは『受信機とは』でご説明しています。)

民泊で一般的に使用される受信機にはP型1級とP型2級という種類がありますが、警戒区域の数で使用する受信機が1級か2級が決まります。

受信機の価格はさまざまですが、P型2級5回線の定価で約15万円~20万円、P型1級10回線の定価で約40万円~50万円くらいになります。

さらに回線の電気工事代もかわってきますので、2級を使用できるか、1級を使用しなければいけないのかで大きく費用が変わってきます。

 

警戒区域の設定基準

警戒区域を設定するにはいくつかの基準があります。

 

面積を600㎡以下にすること

一つの警戒区域の面積は600㎡以下にすることとされています。

ただし、主要な出入口から内部を見通せる場合は1,000㎡以下とすることも出来ます。

 

一辺の長さを50m以下にする

警戒区域の一辺の長さを50m以下にすることとされています。

光電式分離型の煙探知機を使用する場合は100m以下とすることができますが、通常の民泊では光電式分離型の煙探知機を使用するケースはあまり無いと思います。

 

2以上の階にわたらないこと

基本的に警戒区域は1階、2階、3階と別々に設定しなければいけません。

しかし、後述します例外にあるように2つの階の床面積の合計が500㎡以下の場合は2つの階にまたがることができますのでご注意下さい。

 

警戒区域の設定基準の例外

先程ご説明しました警戒区域の設定基準にはいくつかの例外があります。

どのような例外があるのかを見てみましょう。

 

上下(2の階)の床面積が500㎡以下の場合

上下階の警戒区域基本的に警戒区域は1階、2階、3階と別々に設定しなければいけないのですが、上下2つの階の床面積の合計が500㎡以下の場合は、一つの警戒区域が2つの階にまたがることができます。

4階建てや5階建ての場合、警戒区域が5になるか6以上になるかは警戒区域の設定で変わってくる場合があります。

6以上になるとP型1級の受信機を使用しなければいけなくなりますので、消防設備費用がかなり高くなる可能性があります。

ですから、500㎡を超さない場合には1階と2階を1つの警戒区域にするなど、出来るだけ警戒区域を5以下に設定することで費用を抑えることが出来る場合があります。

 

小屋裏(屋根裏)がある場合

屋根裏の警戒区域小屋裏(屋根裏)がある場合、天井と上階の床との間の距離が0.5m未満の場合や主要構造部を耐火構造とした建築物の屋根裏であれば火災報知機の設置は不要です。

主要構造部とは「壁、柱、床、はり、屋根又は階段」を指します。

木造の場合、一部の例外を除くと耐火構造のものはありませんので、木造戸建で屋根裏の床から屋根までの距離が50cm以上ある場合は火災報知機を設置しなければいけません。

先程1階と2階部分(2の階)の床面積の合計が500平米以下であれば1つの警戒区域に設定できるとご説明しましたが、小屋裏とその下の階の場合は600㎡以下であれば1つの警戒区域に設定することができます。

 

「感知区域」とは

自動火災報知機の感知区域感知区域とは、感知器が有効に火災の発生を感知できる範囲のことです。

先程の警戒区域の中にいくつかの感知区域があるようなイメージです。

一つの感知区域は「壁または取り付け面から0.4m以上(差動式分布型と煙探知機は0.6m以上)突き出した梁などによって区画された部分」とされています。

例えば熱感知器の場合、40cmの梁があれば感知区域が2つに分かれます。

煙探知機の場合は40cmの梁があっても感知区域は分かれませんが、60cmの梁があれば感知区域が2つに分かれます。

感知器には「感知面積」といって1つの感知器が有効に感知できる面積がそれぞれ決まっています。

梁などが無い感知面積が100㎡の部屋に感知面積40㎡の感知器を設置する場合は3個の感知器が必要になります。

このように感知区域や感知面積は、設置しなければいけない感知器の数に関係してきます。

必要以上に感知器を設置しないように、きちんと感知区域と設定することが重要になります。

 

煙感知器の設置が必要な場所

民泊は特定防火対象物となりますので、以下のような場所に煙感知器を設置しなければいけません。

  • たて穴区画(階段、エレベーター昇降路、リネンシュートなど)
  • 廊下及び通路
  • 地階、無窓階、11階以上の階
  • 取付面の高さが15m以上20m未満の場所

 

感知器を設置しなくてもよい場所

先程小屋裏のところで少し触れましたように、特定の条件下であれば感知器を設置しなくても良い場合があります。

民泊施設の場合、以下のような場所は感知器を設置しなくてもよいとされています。

但し、警戒区域の計算面積には含まれますのでご注意下さい。

  • 取付面が20m以上の場合(炎感知器は除く)
  • 外気が流通する場所(炎感知器は除く)
  • 主要構造物が耐火構造の天井裏
  • 天井と上階の床との間が0.5m未満の天井裏
  • 便所、浴室など(脱衣所は省略不可)
  • 天井や壁が不燃材料の押入れ

 

感知器を設置してはいけない場所

感知器の誤作動の危険があるような場所は感知器の設置が禁止されています。

例えば煙感知器の場合、定温式・差動式などで細かく規定されているのですが、そこまで細かい部分は専門家に任せて、まずはどんな部分が禁止されているのかだけ覚えておきましょう。

 

煙感知器を設置してはいけない場所

以下のような場所は煙感知器の種類によって設置が禁止されています。

  • 駐車場など排気ガスが滞留するところ(定温式)
  • ボイラ室など高温になる場所(差動式、補償式)
  • 調理場など煙が滞留する場所(差動式、補償式)

 

炎感知器を設置してはいけない場所

以下のような場所は炎感知器の設置が禁止されています。

  • ゴミ集積場など塵埃が滞留する場所
  • 厨房など煙が流入する場所
  • 腐食性ガスが発生する場所
  • 脱衣室など水蒸気が滞留する場所
  • 結露が発生する場所
  • ボイラ室など高温になる場所
  • 調理場など煙が滞留する場所

 

民泊の火災報知設備の設置基準のまとめ

いかがでしたでしょうか。

警戒区域や感知区域など聞きなれない言葉も多く、それぞれかなり細かく規定されていることがおわかり頂けたのではないかと思います。

全てご自身で判断するのは難しいと思いますが、見積を取る際などに知っておくと質問がしやすくなると思いますので、だいたいのところだけでも覚えておかれると良いかと思います。

 

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